(500)文字のレビュー『ドクター・ストレンジ』★★1/2まさかのマントに萌え燃え

『ドクター・ストレンジ』(Doctor Strange)★★1/2

『アラジン』の空飛ぶ絨毯以来の魅力的過ぎる非生物系キャラの誕生。

「金持ち天才プレイボーイの博愛主義者」ときたら我らの社長の自画自賛として名高い名調子だが、今作のドクター・ストレンジの「金持ち高慢はらたいら的トリビア知識の天才脳外科医」も相当なもの。社長と違って冒頭10分ですべてを失い、残ったのは「はらたいら的トリビア知識」のみ。社長が近代科学の粋を集めたヒーローだとすれば、こちらは布作りに魔術という鏡面のようなヒーロー。さらにアイアンマンのスーツにジャーヴィスというキャラ付けがあるように、ストレンジが中盤で巡り合う「マント」はセリフはなくとも「高慢で頑固、それでいて涙を拭ってあげるような優しさ」という、正直作中トップクラスに魅力的なキャラ。同じく出てくるだけで華のある主演カンバーバッチとのコンビはニヤニヤがとまらないこと請け合い。随所に挿入されるギャグやユーモアやエモーショナルなシーンなどなども、洗練されており都度都度爆笑を客席にもたらす。115分という近年のマーベル作品の中では『アントマン』と並ぶタイトな作りなのも高ポイント。3D効果による都市の変貌は「インセプション」での消化不良を補って余りある。ただし、魔術という性格上現実世界に影響を与えない点は個人的に残念。ストレンジが「ドクター」の肩書に拘るのがギャグとしても面白い上に、彼の崇高な矜持に関わるあたりは非常に胸熱。早く社長との絡みが見たいと思わせる魅力的なキャラの誕生だ。

【115分/シネマスコープ(IMAX版は1:1.90アスペクト比混在)/2Kマスター(TOHOシネマズ新宿10番スクリーンIMAX3Dにて鑑賞)
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