(500)文字のレビュー『レゴバットマン ザ・ムービー』★★★「正面切ってバットマンというキャラに向き合った誠実な作品」

『レゴバットマン ザ・ムービー』(The Lego Batman Movie)★★★

メタファーとか見立てとかには頼らず、子どもたちにもストレートに響く「ひとりで頑張るのもいいけど、少しは他人を頼ってもいいんじゃぞ」というメッセージが胸を打つ。

前作(?)『レゴ・ムービー』が「創作」という至高のテーマを描いた名作だったので、さすがに今回の作品はよくあるこどもだましの作品なんじゃないのとタカをくくって観ていたら、「おいおい、こっちも傑作じゃないか」という危険な事態に。

とは言え、今回は『レゴ・ムービー』とは方向性が違い、ビジュアル・スタイルとして「レゴ」を選択した上で、『バットマン』という「ヒーロー」を描く上で避けては通れない「孤独」がテーマになっています。なので比べるのは本来野暮というわけですがw

冒頭から例の「イフェクトをかけすぎて何言っているのかよく分からなくなっている”バットボイス”」で、ロゴからタイトルはては最初の「黒味」にまでバットマンがツッコミを入れまくるあたりで大笑いをとっていく。そして、そうかと思わせれば、実写版バットマンもかくやとばかりに、重低音の効いたソリッドな音楽が意味不明にアクションシークエンスを盛り上げる。「レゴ」なのに!

こういう「こどもに向かって」作っている作品だからといって「こどもだまし」ではないと言うのは常に大事なことですし、観ている側もそういう色眼鏡で接してしまうのも危ういところです。逆に言えば本来「対象」ではない我々性根の腐ってしまった「オトナ」は「ちょっと見せていただきます」というぐらいの真摯な態度で臨むべきなのでしょう。ついついそういうマウントポジションに立ってしまう自分が恥ずかしい。そう思わせてくれるほど、ストレートに「テーマ」を物語る姿勢には敬意を表さざるを得ない。

こう書くと「バットマン」映画特有の(持ち味と言ってもいい)「辛気臭い」雰囲気なのかといえば全くそういうことはなく、ただただ「レゴが動きまくるという子どもの夢のような世界」を楽しく展開させているのがやはり最も素晴らしいところかもしれません。

アニメーションのもつ最大のメリットを最大限に活かした作品だと思います。

しっかし、バットケイブに入るときの合言葉wwww

【104分/シネマスコープ・サイズ/2Kマスター】(109シネマズ広島シアター1にて鑑賞「吹替版」)

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