(500)文字のレビュー『マグニフィセント・セブン』★★★「ぼくが一番デンゼル・ワシントンをかっこよく撮れるんだ!」

『マグニフィセント・セブン』(The Magnificent Seven)★★★

『荒野の七人』に比べてオールスター感が少ないと思う向きもあろうが、アレは結果的に後でみんながスターになっただけで、実際にはこちらのキャストの方がスター率は高い。

西部劇の楽しみ方も人それぞれ色々あろうが、今作の「ザ・アメリカン・ウエスタン」としてのかっこよさは、下手したら『七人の侍』に引っ張られている原典の『荒野の七人』よりも満足度が高いのではと不遜なことすら考えてしまうほど。個人的に『七人の侍』より先に『荒野の七人』を観た挙句に、小学生らしく毎日毎日阿呆のように観ていたぐらいの原典のファンであるが、それでも今作の「現代的なブラッシュアップをものともしない強靭な西部劇ブリ」に痺れた。正直中盤で少々ダレる部分もあるし、住民との関係性の描写不足、「復讐」というテーマに関しての扱いに関しての賛否は感じるが(わたしは肯定派)、ぶっちゃけソレは原典の『荒野の七人』でも似たり寄ったりなので良しとする。本作は煎じ詰めれば西部劇のハッタリと魅力的なキャラの言動、そしてデンゼルのカッコよさに酔えば良い。南北戦争での設定を感じさせる「リバースドロー(騎兵隊がサーベルを持ったまま左手で抜くためにホルスターにグリップが前を向いて銃が入れてある)」スタイルのデンゼルや、宵闇の中で馬に乗る姿にカメラが寄っていくデンゼルや、片手でシリンダーを回転させて排莢するデンゼルや、突っ走る馬に半身になって真横の敵を撃つデンゼルや、逆光の中ヌシヌシと歩いて目抜き通りに現れるや、山脈をバックに斜に構えた姿勢でラスボスを威圧するデンゼルや、撃鉄すら起こして銃を持っているラスボスに対してリバースドローのまま抜くのを待つデンゼルや、撃ち落とした銃を「拾え」とラスボスに命令するデンゼルの無敵のカッコよさよ。しかもクリス・プラットのクリス・プラットぶりや、イーサン・ホークの回転ブリ、イ・ビョンホンの「ジェームズ・コバーンなんて思わせぶりにナイフ使っていたけど、イザ戦うときは一度も使わねえじゃねえか」というリメイクならではの反省を感じさせるナイフ使いブリなどなど。挙句に微笑むデブがキチンと妙に高い声で喋るという目配せまで(命令をとっとと顔面に伝えろ!)。おまけにヘイリー・ベネット(『ラブソングができるまで』のコーラだ)が、男ばかりの七人に対するカウンターのように「8人目」と言わんばかりの大活躍をするあたりや、ガトリングガン担当の「眼帯野郎」がその眼帯には恥じぬ西部劇らしいロールプレイをぶち込んでくるあたりも高ポイントとして記しておく。

(思わず大幅に字数をオーバーしたが、7人分もあるので許していただきたい)

【133分/シネマスコープ/2Kマスター】(イオンシネマ板橋6番スクリーンにて鑑賞)

豪華声優陣による吹替もぜひ堪能していただきたいです。

4K上映の美しさも記憶に新しいですが、日本盤のブルーレイを圧倒的に上回る高品質で観られるクライテリオン版がオススメ。

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